IoTによる新しい事業化プロセスの実践!

人を中心に提供価値(UX)を考え、お客様との共創の中で事業化プロセスを加速する

IoT(Internet of things)について、皆さんは何を想像しますか?

モノやヒト、場所・環境も含めたすべてをインターネットでつなぐIoTは対象範囲が広く、あらゆる業種業態への応用展開が考えられます。そのため、魅力あるサービスを生み出し、事業化に導くことは容易ではありません。富士通では、利用者(=人)を中心に提供価値(UX)を考えるHuman Centric IoTによって、お客様との共創の中で、事業化プロセスを加速する活動を展開しています。

この活動によって提供できる未来の可能性や価値を、3つのフェーズで実践しています。

  • Phase 1 :多様な業種業態の中で、テーマフォーカスを定める
  • Phase 2 :フォーカスした業種の具体的なUXをデザインする
  • Phase 3 :プロトタイプを活用してビジョンやUXの検証を実践する

Phase1およびPhase2の実践例として、富士通株式会社 IoTビジネス推進室と富士通デザイン株式会社にてIoTビジョンワークショップを開催し、商談ツールや新規ビジネス企画として活用できる、IoT活用シーンを描いた「IoT Future Book」を作成しました。

IoT Future Book:5分野30 Future Stories
(HEALTH CARE / EDUCATION / TRAFFIC / LIFE INDUSTRY / ENERGY SMARTCITY)

そして、Phase3のビジョンやUXの検証を実施するために、IoT Future Hackathon事務局(以降、事務局)を立ち上げ、2015年4月10日と4月24日の2日間、1日目は共有スペースHAB-YU(六本木)で、2日目はハッカソンの現場として実績のある富士通研究所(川崎)でIoT Future Hackathonを開催しました。新しい事業化プロセスの社内実践です。

IoT Future Hackathonでは、お客様との未来のIoTサービス共創のリファレンスとしてIoT Future Bookで描いた未来のサービスプロトタイプを作ります。対象分野として主に、HEALTH CARE、EDUCATION、TRAFFIC、LIFE INDUSTRYを選択しました。

事務局は社内外のハッカソン経験者を中心に結成。開催ノウハウに基づいた場所の選定、多様な技術や参加者を集め社内外13種類の技術を利用し、富士通グループ11社53名とともにHuman Centric IoTで未来を描くための新しい事業プロセスを実践しました。

DAY1:アイデアソン

現在の技術を知るために開催した、事前技術展示会(展示会に富士通グループ各社から有志で協力してくださった皆様)

まず最初に、ハッカソンのために用意した研究所をはじめ、富士通グループおよび社外の IoTに関係する技術共有会を開催しました。ドローン(無人操縦飛行機)、ウェアラブルガジェット、センシング、ミドルウェアサービスなど、富士通社員でも知らない沢山の技術が、参加者のインスピレーションを刺激します。

事前技術展示会の後はアイデアソンを実施。参加者には事前にIoT Future Bookや立教大学との共創アイデア集を配布して、実現するサービスアイデアを描いた上で参加いただきました。

参加者は、HAB-YUの創造環境のもとで、未来の兆し(IoT Future Book)と個々の想いをかけ合わせて、新しいアイデアを創出します。ワークとしては、固い頭を柔らかくする連想ワークや参加者間でフィードバックを受けるスピードストーミングを実施しました。

描いたアイデアをグループワークで共有、そのフィードバックによってブラッシュアップされたアイデアを用いコンペティションを行います。次に参加者投票によって得られた獲得票の上位者によって、それぞれのアイデアにかける熱い想いを発表します。この熱い想いに共感したメンバーに基づいたチームビルディングによって、エンジニアリングやデザインなど多種多様なスキルやノウハウ、知識を持った10のハッカソンチームが出来ました。その後、チーム毎にアイデアを実現する手法を検討します。このとき、技術提供部門のメンターがサポートしてくれます。

ここで1日目が終了です。2日目までの期間、アイデアのブラッシュアップや開発などは自由、それぞれのチームが残って磨きをかけていました。

DAY2:ハッカソン

2日目は、各種開発機材が用意できる(ハンダごて利用部屋など)武蔵中原の富士通研究所内で実施しました。富士通研究所では、社内有志によるハッカソンを複数回開催していて、開発環境、ネットワーク環境、発表環境についてノウハウと実績があります。

各メンバーは、朝9時30分から開発作業を開始。0からのプログラム作成や、事前に作ってきたものの結合テスト、プレゼンテーションのリハーサルなど、時間が足りないなか、マラソンのように走り続けます。

10チームにわかれたメンバーは、限られた時間の中でしゃかりきになって開発をします。

開発時間は終了し、10チームが順番に発表し始めました。全チームがデモシステムを完成。きちんとシステムが動いたチーム、リハーサルでは動いたが本番で動かずに悔し涙を飲んだチームなど悲喜こもごもです。

IoT Future Hackathon 総合ファシリテーター IoTビジネス推進室 黒瀬さん(右)

授賞式では、参加者自身の投票で選ぶ優勝と準優勝の他に、主催者賞や研究所賞やデザイン賞など5賞の発表がありました。

優勝チーム代表 富士通デザインの高野さん

参加者アンケートでは9割以上が楽しく有意義であったと回答。また、過半数の参加者が今回のアイデアソンとハッカソン(開発時間)にイノベーションを感じていただけたようです。

ハッカソン開催後の活動としては、数チームが事業化に向けた特許取得とフィードバックを得るための社外展示会出展を企画するなどPhase3以降の活動に入っています。

IoTビジネス推進室 須賀室長へのインタビュー

富士通のIoTについて

富士通は、 Human Centric IoTというコンセプトに基づき、IoTが人間にいかに価値を提供できるかというところを重視しています。そのため、富士通自身が、利用者にIoTを使ったどんな素晴らしいことがあるかを、実際にサービスを提供したりして啓蒙していき、そして利用者やビジネスの事業者に対して、IoTを使って新しいコトをやりたい、ビジネスを始めてみたいという機運を起こさせていく必要があります。また、利用価値をわかっていただくには、IoTの技術で人々の生活がどう便利になるのか、をアピールすることが重要になります。例えば、ハッカソンを開催し、具現化したものを、世に出していくのはやり方の一つだと思います。

IoT Future Hackathonを開催したのはFUJI HACK 2014や立教大学コラボに係ることでハッカソンのポテンシャルを感じたからです。富士通なら立教大学コラボやIoTビジョンワークショップで描いた未来(IoT Future Book)を具現化できるということを確認したかったのです。

ネットワークサービス事業本部 IoTビジネス推進室 須賀室長

ハッカソンを事業部が開催する意味

ハッカソンは2つの方向性があると思っています。幅広く色んなアイデアを対象とするなら色々な部門がやってもいいし、範囲が狭まっても良いので事業化するところまで道筋をつけるなら事業部がやったほうがいいと思います。富士通において事業部は、事業責任を取る部門です。ハッカソンで出た成果を最後まで責任を持つことが出来る部門が開催することに意義があります。ハッカソンがイベントで終わるのはもったいなく、もっとどんどん事業化して富士通の文化にしていきたい。今回のハッカソンで生まれたプロトタイプとしての最初の形、タネをどう引き継いで事業化していくかが今後の課題です。

未来を作っていく活動、新しい事業化プロセスへの期待

未来を描き形にする、そして具現化することに意味があると思っています。誰でも未来を語ったり文章にすることはできても、その想いを絵に変える、形に変えるのは凄いハードルがあると感じています。それを乗り越えると色んな意見が出てきます。例えば、デザイナーは色んな人のアイデアを魅力的に描くことが出来ます。その描かれたモノを見て、いろんな人がまた新たな発想をします。じゃあ、今度はアイデアのプロトタイプをエンジニアがつくってみます。それに対してまた、発想が生まれます。そういう繰り返しでどんどん発展していく、そういうサイクルを進化しながらまわしていき、新しいものをどんどん生み出していくことが重要です。このような活動は、多様な人材の智恵を集め新しいものを生み出していくことに非常に効果があり、一番いい方法かもしれません。

今後も、事業部発のハッカソンとして、今回のプロトタイプをどのようにビジネスにつなげるかの活動を、事業化プロセス確立や特許化や社外展示会参加などを通じて続けていきます。
そのため今回の取組みのその先を目指して「IoT Future UX」の活動を始動しました。新たなビジネスを生み出すための活動を継続的に実践し、そのための仕組みとリファレンスを創り続けていきます。