災害時の復旧作業スケジューリングをスパコンでリアルタイムに実現

短時間で復旧作業を迅速に策定するためには?

大規模災害には、二次災害や道路の寸断など突発的に様々な事態が発生するなど、短時間で状況が大きく変化します。このような状況下ではライフラインなどの復旧作業スケジュールを早急に策定し、迅速な対応を遂行することが求められます。

この実現には、災害状況のデータや地理情報データなど膨大なデータを用いて最適な計画立案をリアルタイムで計算できることが必要となります。しかし、復旧計画策定において、刻々と変化する災害状況を反映した最適な計画立案を膨大なデータを用いてリアルタイムで計算することは困難でした。

局所探索アルゴリズムにより、最新の復旧計画の提示が可能に

そこで、九州大学マス・フォア・インダストリ研究所と富士通研究所は、現実の複雑な条件も考慮した上で、大規模な復旧計画を効率的に立案するスパコンで実行可能な数理最適化技術を開発し、リアルタイムな復旧作業スケジューリングを実現しました。具体的には、作業スケジュールの膨大な組合せの中から、作業の優先順序、合流作業、担当地区優先、労働時間規約など多くの複雑な制約条件を考慮した上で、効率よく最適な作業スケジュールを立案可能な局所探索アルゴリズムを開発しました。

これにより、被害の拡大状況や復旧の作業進捗など、状況の変化に応じた最新の復旧計画を提示することが可能となり、災害対策の最適化に貢献することが期待できます。また、流通・物流における配送スケジューリングやそれに向けた人員配置への適用も可能です。配送時の混雑などの状況変化に応じたきめ細かな配送計画の立案も期待できます。

九州大学マス・フォア・インダストリ研究所と富士通研究所は、実運用時に課題となる、災害状況や作業状況のデータをリアルタイムに収集できるデータ活用基盤の検討を進めながら、自治体などの防災業務に本技術を適用すべく、2017年度以降の実用化を目指します。

図 復旧作業ルートの例(37箇所、6作業班の場合)