「Interop Tokyo 2015」富士通展示ブースレポート

2015年6月10日(水曜日)~6月12日(金曜日)の3日間、国内最大級のICTイベント「Interop Tokyo 2015」が幕張メッセにて開催されました。富士通グループも出展しましたので、ブースの様子をレポートします。

Interopとは

Interop(インターロップ)は1994年から世界4カ国で開催されている、ICTに特化したリーディングイベントです。ICTに携わる技術者や企業のリーダーが集い、ライブデモンストレーションなどを通じて「技術」と「ビジネス」の双方を検証できる場となっています。近年は、クラウド、ビッグデータ基盤、セキュリティ、そしてセンサー/スマートデバイスなどあらゆるものがつながる時代の新しいネットワークなどを注力テーマとして開催されています。

今回、富士通のテーマは「Human Centric IoT ~ 富士通のSolution & Technology ~」。これからIoTをすぐにビジネスで活用していただけるよう、お客様との実証実験や社内実践の結果を踏まえたソリューションとIoT時代を支えるセンサー/ネットワーク/クラウド/セキュリティなどのテクノロジーをご紹介していました。

工場データ収集・管理

富士通アイ・ネットワークシステムズ 山梨工場の実証実験では、プリント基板の製造工程で異常が発生しても、自分が担当していないところはどうなっているか分からない状況でした。しかし、製造現場で発生する様々なセンシングデータと関連する背景データ(製造装置ログ、製造実績など)の相関関係が整理されたデータをクラウドに集約し、製造現場を可視化することで、工場全体で何が起こっているか俯瞰して見ることができるようになりました。

例えば、下の写真では、縦軸(工程)と横軸(時間)で垂直になるほど時間が短いので効率が良く、線が倒れてくると時間が経っていることが分かり、これが製造ロスとなります。誰もが遅延ポイントと原因を確認できるようになり、外段取り作業(準備作業)やラインバランスの最適化など現場の改善活動をフォローする位置づけとして活用できます。

今まで工場では情報漏えいにつながる不安から、クラウドにデータをあげられない、あげたくないと、ローカルのサーバにデータを溜めていこうという考え方でした。今回データ収集に活用している「FUJITSU Network Edgit(エジオット) GW1500」は、工場内の必要な情報のみを暗号化して、セキュアにクラウドあげていくことができるようになるため、今後製造現場のイノベーションを推進するキープロダクトと考えられます。

製造工程の進捗をリアルタイムにデジタル化

センサーネットワーク技術と可視化ソリューション〔富士通九州ネットワークテクノロジーズ株式会社〕

センサーネットワークサービスの1つのモデルとして、富士通は「小型家電回収ボックス」を神奈川県のある自治体様に4ヶ所設置しています。ゴミがどれくらい溜まったのかをWeb画面上でリアルタイムに確認できるようにし、回収作業の効率化の実証実験で、大幅な効率化ができるとの結果を得ました。さらに、地図上にゴミ箱の状況を分かり易く表示することにより最適回収ルート検索、「ゴミが満タンになっている」などのクレーム解消にも期待できます。

このサービスは、センサーネット基盤「開発コードSNIP(スナイプ):Sensor Network Integrated Platform」で実現しています。これは、現場にて必要なさまざまなセンシングデバイス(温度、距離、音声、映像など)を容易に収容し、お客様のニーズにあった通信方式(Ethernet、3G/LET、Bluetooth、Wi-Fiなど)と組み合わせ、センサーネットワークを実現するソリューションです。お客様の用途、環境に合わせた最適なセンサーネットワークをタイムリーに提供し、短期間でIoTシステムの実現が可能となっていました。

センサー付きゴミ箱(注)自治体様のゴミ箱と仕様が異なります

各地のゴミ箱の堆積状況を可視化

フィールド・センシング・エンジニアリング〔株式会社富士通アドバンストエンジニアリング〕

「フィールド・センシング・エンジニアリング」は空港、港から山岳地方など、あらゆる現場の状況をリアルタイムに収集・通知するシステムの構築サービスです。富士通には様々なソリューションやパッケージがありますが、現場の情報をセンシングすることからすべてが始まるといいます。

展示デモには屋外設置が可能な全天候型のフィールドステーション(無線ステーション)があり、基地として無線センサーとつながり、その無線センサーの情報をさらにWi-Fiや3G/LTEなどの各種無線方式で上位システムのクラウドに送信するシステムの構築サービスだそうです。

また、業界最薄最小クラスの超薄型センサービーコンも展示されていました。このビーコンを子供に持たせることで、例えば親から25メートルくらい離れたり、子供が転んだりした時、スマートフォンへお知らせを届けることができます。見守りをサポートするビーコンは今後、子供だけではなく様々な場面で活用が広がっていきそうです。

屋外のあらゆる現場で活用できるフィールドステーション

超薄型センサービーコン

超薄型センサービーコン活用による現場の"ヒト"の状態通知

IoTデータ活用基盤サービス(現場の変化に柔軟に対応できるIoT分散処理技術)

展示デモコーナーにプラレールが走っていました。各箇所に設置されたカメラの中で、カメラの前を電車が通ったとき動画は高画質に映り、電車が通ってないカメラの動画は低画質に映る。これは必要なポイントの映像だけを高画質にして、いらないところは低画質にする分散処理技術の一例を行っているデモでした。この技術により、全体のコンピュータ/ネットワークリソースを変えずに安定したデータのリアルタイム処理を実現できるそうです。

IoTビジネスの活用に向けて、現場のセンシングデータの収集頻度や精度とそれにかかるリソースのバランスが重要になります。IoTデータ活用基盤サービス「FUJITSU Cloud IoT Platform」の分散基盤技術により、「現場状況の変化」に対応して、自動的にクラウドへの収集頻度や精度を制御できます。現場のセンシングデータ量の変化が予測しずらい環境でも最適なコンピュータ/ネットワークリソースでIoTシステムを実現することができます。この分散処理技術は、IoTに特化したクラウドサービスの中で富士通だけの独自技術となっています。

IoTデータ活用基盤サービスによる現場監視カメラの画質制御

SDNによる拠点ネットワーク運用の最適化

富士通のSDNコントローラー「FUJITSU Network VELCOUN-X(ベルクーンエックス)」は、Linuxサーバのソフトウェア製品でネットワークの可視化、制御をすることができます。サーバ配備に合わせて、仮想ネットワークの追加/変更が簡単な操作ででき、トラブル箇所も直感的に分かりやすく表示する特徴をもっています。ネットワークの専門知識がない人でも論理マップで設定を変えることができるため、業務システムの変更に応じたネットワーク構築をスムーズに行えます。

SDNとはネットワークの構築・設定などを、ソフトウェアで柔軟に速やかに行えるようにするテクノロジーです。岩手県のある自治体様では、通常職員が利用する無線LANを地震などの災害が発生したときに、住民の方に無料で開放することにしました。ただし、災害時に現場へ駆けつけて、無線LANの設定を変更することは難しいという問題があり、簡単に切り替えが可能なSDNを利用することで、このサービスを実現したそうです。〔富士通ネットワークソリューションズ株式会社による個別提供〕

SDNコントローラーの活用事例

その他にも、イントラネットに接続するだけで、既知・未知問わずマルウェア活動をリアルタイムに検知する、標的型サイバー攻撃・内部対策アプライアンス「iNetSec Intra Wall(アイネットセック イントラ ウォール)」や、お客様の業務に合わせて人や物の状態・状況・周囲の環境をセンシングし、さらに解析・分析してすぐに使えるデータ提供する「FUJITSU IoT Solution UBIQUITOUSWARE(ユビキタスウェア)」など、さまざまな製品やソリューションをご紹介していました。

展示ブースでは様々な製品・ソリューションを体感することで、あらゆるものがネットワークにつながる時代の進化を感じることができました。