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ネットワークの安定を見守る世界最高速200Gbpsのパケット解析技術

ネットワーク上を流れるデータ量は、毎年1.5倍ずつ増加しているといわれています。スマートデバイスやクラウドサービスの普及によってネットワーク上のやりとりがより身近になった一方で、通信が遅延したり途切れたりする通信障害が問題になっています。

通信の遅延によって、例えばショッピングサイトでページの表示が1秒遅れると、ユーザーの顧客満足度が16%低下するというデータ[注1]があります。また、数時間に渡って通信自体が遮断されてしまうような障害が発生した場合、電話やインターネットが突然利用できなくなり、ビジネスや生活に大きな影響が出ることもあります。
現在、このような通信障害が年間7000件以上発生し、そのうち1400件は通信が10時間以上途切れるような大規模なトラブルに発展しています。[注2]

ビジネスや生活に影響を与える通信障害を未然に防ぐためには、通信の遅延や遮断が発生しないような安定したネットワークが必要です。そこで富士通は、ネットワーク上に流れるパケットをリアルタイムに監視しながら、世界最速の200Gbpsで品質を解析することができる「パケット解析技術」を開発しました。

[注1]米Aberdeen Groupによる160を超える企業を対象とした2008年の調査による
[注2]総務省「電気通信サービスの事故発生状況 平成25年度分」による

安定したネットワークを支えるパケット解析技術

クラウドサービスの発展によりPCやスマートデバイスで、動画をはじめ大容量のデータをダウンロードする機会が増えています。しかしネットワークの障害やサービスを提供するサーバのトラブルなどで動画がうまく再生されず途切れたりダウンロードが中断されることも珍しくありません。

このようなサービス障害を早期に発見し復旧するためには、問題が起きている場所がネットワーク側にあるのか、それともサービスの提供者側にあるのかなど、原因をいち早く特定しなければなりません。そこで、すぐに異常を検知するためには、常にパケットを監視することが必要になってきます。

パケットとは、ネットワーク上を行き交うデータの単位のことを言います。通信障害が発生すると通信時のパケットロスや伝達不順などの異常が見られるため、パケットの状態を監視することが、通信障害の原因や対処法を知ることにつながります。パケット解析技術は、このような監視をリアルタイムに行い、通信障害の早期発見や、その原因がどこにあるのかということを検知します。

また、この技術は通信をリアルタイムに監視するため、ネットワーク上を流れる全てのパケットをコピーして収集しています。さらに、集めたパケットに「ネットワーク品質解析」と「アプリ品質解析」という2種類の品質解析を行うことで、サービス障害の原因がどこにあるのかということを分類することができます。

ネットワーク品質解析は、コネクション毎にパケットロス率、ネットワーク遅延、トラフィック量などを計測します。ネットワーク上のトラブルでパケットロスが発生した場合、受信側のアプリデータ構築に遅延や失敗が生じていることが検出できるので、サービス障害の原因がネットワーク側にあると判断することができます。

一方で、サービス障害の原因がサービスを提供するサーバ側にある場合、サーバからのレスポンスに遅延が生じます。アプリ品質解析では、リアルタイムにサーバからのレスポンス時間を解析し、サーバ側に異常がないかを分析しています。

パケット解析技術は、このような2種類の品質解析を行うことで、問題が起きている場所や原因をいち早く特定するため、サービス障害への迅速な対応が可能になります。

富士通では、実際にこのパケット解析技術を社内のネットワーク監視に導入しています。これまでは「ある地点でのネットワーク通信の遅れが、別の地点での急激な通信量の増大に起因する」という解析を行うために6時間程度の時間が必要でしたが、この技術を用いることで、5分で処理が完了しました。

3つの技術で世界最速のスピードを実現

リアルタイムでのパケット解析を高速化するためには、CPUやメモリといったハードウェアや、OSの性能を活かしきれていないといった問題がありました。今回、富士通では3つの技術でそれらの問題を解決し、200Gbpsというスピードを実現しています。

まず1つ目が「パケット収集高速化」技術。全てのパケットを漏らさず解析するために、これまではパケットを一つ一つ集めて処理していました。しかし、この方法では1秒間に数千万という数のパケットを解析する際に非常に大きな負荷がかかるため、OSの性能限界を超えた処理はできません。そこで、パケットを10個なら10個、100個なら100個という単位でまとめて収集する技術を確立し、収集性能を高速化しました。

2つ目は「メモリアクセス高速化」技術。従来のプロセスでは、ネットワーク障害の原因を解析する際に、ネットワーク品質解析とアプリ品質解析、それぞれの階層でコピーしてからパケットを処理していました。しかし、膨大な量のパケットを全てコピーする必要があり、時間的なロスが発生してしまいます。今回の技術では、パケットを階層間でコピーせずダイレクトに参照できる仕組みによって、効率的な品質解析を実現しています。

3つ目は、「ロックフリー・リングバッファー」技術。従来、一度に一つのCPUしか読み書きができないため、他のCPUはその処理が完了するのを待っている必要がありました(ロック状態)。そのため、高性能なCPUを搭載していても、その性能は活かしきれていません。今回開発したロックフリー・リングバッファー技術では、パケットの処理を一つのリングバッファーだと考えることで、読み書きが重ならない部分であれば並行して複数のCPUが同時に処理できるように改善しました(ロックフリー状態)。これにより、ハードウェアに搭載されたCPUコア数に比例して性能を発揮することができます。

さらに、このパケット解析技術は、ハードウェアでなく、ソフトウェアで高速化を実現にしています。高性能なハードウェアを設置するには高いコストがかかりますが、ソフトウェアなら比較的低コストでの導入が可能というのも大きなメリットです。

CPUやメモリなどのハードウェアは日々高性能なものが開発されていますが、その性能を最大限に発揮するソフトウェアの開発が非常に難しいといわれてきました。しかし、富士通では、これまでのハードウェア研究とソフトウェア研究、両方のノウハウを集約し、今回のパケット解析技術をソフトウェアで実現しています。

パケット解析技術が支える未来のネットワーク社会

従来、ネットワーク障害管理では障害発生後に診断することしかできませんでしたが、今回リアルタイムにネットワーク品質を監視し続けることが可能になりました。今後のネットワーク社会で危惧されるサイバー攻撃に対しても、リアルタイムに監視することで、通信量の急激な増減やパケット数の変化などから悪意を持ったユーザーを特定することが可能になります。こうしたログを可視化し記録することで、サイバー攻撃等に対してもネットワークの安定をはかっています。

また、パケット解析技術は業種や環境を問わずに利用できるため、ネットワーク上で提供されるあらゆるサービスや商品に適用できます。特に、SNSやショッピングサイトでは、ユーザーの快適性を高めることがサービスの品質向上に寄与するため、ネットワークの安定を通して企業競争力も高めていくことができます。

家電や自動車をはじめ、身の回りにある様々なモノがネットワークに繋がる時代が到来し、ビジネスはもちろん、医療や教育の現場でも多くのイノベーションが起こると期待されます。例えば、国内の病院での診察が難しくても、ネットワークを通じて遠く離れた外国の専門医にかかることが可能になります。さらに、遠隔操作による手術をうけることもできるかもしれません。

しかし、その実現には安心で安全、快適なネットワークインフラが必要不可欠です。今後、ネットワーク上のデータ量がますます増大していく中で、トラブルを早期に発見し、原因を特定するためのパケット解析技術は、重要な技術になると考えています。

富士通はこれからも、さらなる研究開発によって新たな時代のビジネス・社会に貢献していきます。

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