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4人のイノベーターが明かす実践と成功の秘訣[富士通フォーラム2015 セミナーレポート]

[セミナー]イノベーションを起こす仕事のつくり方、働き方とは 未来の「働き方」を考えよう

東京・有楽町にある東京国際フォーラムにおいて、2015年5月14日(木曜日)と15日(金曜日)の2日間にわたり、富士通最大のイベントである「富士通フォーラム2015東京」を開催しました。この中で、「イノベーションを起こす仕事のつくり方、働き方とは〜未来の働き方を考えよう」と題するパネルディスカッションが開催され、組織の内外でイノベーションを起こしている4人のパネリストがイノベーションの実践や成功の要件について語りました。登壇したのは、株式会社ローソン 営業統括本部デジタルコミュニケーションPJリーダーの白井明子氏、ブランニュウスタイル株式会社 代表取締役の和田幸子氏、ウィルソン・ラーニング ワールドワイドイノベーションセンターで「越境リーダーシッププロジェクト」ディレクターを務める三浦英雄氏、株式会社富士通研究所 クリエイティブ・メディエーターの原田博一です。日経BPヒット総合研究所所長の麓 幸子氏が、モデレータを務めました。

変わるきっかけは「自分にしかできないこと」

株式会社ローソン 営業統括本部デジタルコミュニケーションPJリーダー 白井 明子 氏

まず始めに、各所でイノベーションを巻き起こしたパネリストが自らの取り組みを紹介しました。

人気キャラクターによる顧客とのコミュニケーションでローソンのソーシャルメディア戦略にイノベーションをもたらした白井氏は2010年、キャラクター「ローソンクルー♪あきこちゃん」を考案し、TwitterやFacebook、LINEといったSNS上で新商品やキャンペーン情報の告知に活用しています。現在、あきこちゃんを友達登録しているSNS会員は、約2,200万人にのぼります。

あきこちゃんが生まれた背景には、白井氏の「私がこの世に生まれてこなければ存在しなかったものを作る」という思いがあります。同氏は以前、仕事で成果を出せず苦しんでいた時期があり、自暴自棄になり何をしたら良いのか分からなくなってしまったそうです。「このままではまずい」と思った白井氏は、どうすれば自分が浮上できるかを考えた末、「自分にしかできないことをしよう」と強く決意。

その後、MBA(経営学修士)を取得しようと、大学院に進学。多くの知見や出会いに恵まれ、前向きさを取り戻し、在学中に企画した販促キャンペーンも成功をおさめました。この活動が社内から評価され、ソーシャルメディア戦略を任されるに至ったということです。

自らの悩みがイノベーションを起こすきっかけに

ブランニュウスタイル株式会社 代表取締役 和田 幸子 氏

続けて、ブランニュウスタイルの和田氏が起業に至った経緯を話しました。同氏は富士通でシステム開発やマーケティング、新規事業の立ち上げなどを手がけた後、家事代行サービスの依頼者と提供者をマッチングするマーケットプレイスを運営するブランニュウスタイル株式会社を起業し、独自のサービス「タスカジ」を立ち上げました。

「タスカジ」のビジネスモデルはアウトソーシング業者が介在する派遣ビジネスと異なり、個人間の直接契約を媒介するため、料金を安く抑えられます。このような日本にはこれまでなかったビジネスモデルを和田氏が思いついた背景には、自らの悩みがありました。

「私のように育児をしながらフルタイムで働く女性にとっての大きな悩みは、日々の家事をどう回すかです。代行サービスを利用すれば、こうした悩みを解決することもできますが、業者がハウスキーパーを派遣する既存のサービスは、価格が高くなかなか手が出せません。そこで、海外で一般的な個人契約モデルを持ち込むことに思い至りました」と和田氏は語りました。

和田氏は常に3つのことを自問していると言います。「まず、人がやっていないことにチャレンジしてその経験を周囲とシェアする『切込隊長』になれているかどうかという点です。2つ目は、マーケットに対してどのような価値を提供できているか。3点目は、去年の自分より成長しているかどうかです」。こうした姿勢がイノベーションを生み出す原動力になっているのでしょう。

企業にいながら新たな価値を創造し続ける

株式会社富士通研究所 クリエイティブ・メディエーター 原田 博一

次に富士通研究所の原田が自らの活動を紹介しました。原田はインタビューやフィールドワーク、ワークショップなどによる定性調査業務に携わる傍ら、イノベーションのエコシステムを作る活動「.orgアライアンス」に従事しています。.orgアライアンスとは富士通という枠組みを超えて、多様な組織を連携させ、そこから社会的課題を解決するようなイノベーションを生み出そうという取り組みです。

具体的には地域の多世代間交流を促進する「Historypin(ヒストリー・ピン)」 、認知症の人が必要以上に障害を感じず普通に暮らせる社会づくりを目指す「DFJI」、企業と地域が互いのリソースを共有して新たな事業や働き方を生み出す 「Action Working」といった活動をしています。いずれも多様な視点を接続してイノベーションを起こそうという取り組みです。

それを実現するには通常の企業とは異なる思考が求められます。「企業は『PDCA(Plan Do Check Action)』で回りますが、社会的課題に取り組む人たちはまずは行動から、『DCPA(Do Check Plan Action)』で回っています。ですから、私は常にPDCAとDCPAの間に立ち、両者をつなげることを意識しています。それから、ADR回転数を上げていくことが重要だと考えています。何か活動(Action)すると進展(Development)があり、新たな関係性(Relation)が生まれる。新たな関係性から、次の活動が始まります。私はこのサイクルを、ADRと呼んでいます。社会的課題の解決では、このADRが複数同時に走ります。それらの回転数を上げることが、イノベーションを促進します」と原田は語りました。

個人の想いと企業の事業活動を調和させる

ウィルソン・ラーニング ワールドワイド株式会社 イノベーションセンター「越境リーダーシッププロジェクト」ディレクター 三浦 英雄 氏

最後にイノベーションを支援する活動をしているウィルソン・ラーニングの三浦氏がイノベーションを取り巻く状況を説明しました。社会的課題を解決したいという自らの想いを起点に、所属する企業のリソースを使って新たな事業を開発したいと考える人材が増えています。しかし、「決められた職務以外に新しいことをやろうとすると、周囲になかなか理解されません。それまでに培った行動規範が邪魔をするのです」と三浦氏は語りました。

三浦氏自身、人材開発サービスの営業という通常業務とプロジェクト運営という二足の草鞋(わらじ)を履いており、そのようなプレッシャーがあることは熟知しています。「事実、このような状況にくじけてイノベーションをあきらめる人、あるいは会社を辞めてしまう人がたくさんいます」と話されました。

このような状況を三浦氏は「非常にもったいないこと」と指摘し、企業内個人によるイノベーションを支援することを目指して「越境リーダーシップ」と呼ぶプロジェクトを立ち上げました。イノベーションに成功した企業内個人の実践知を体系化するといった仕組みづくりを進めています。

企業内個人によるイノベーションを支援する立場で多くの挑戦を見てきた三浦氏は、その経験に基づいて社内外をまたぐイノベーションの実践へのポイントをこう結びました。「個人の想いと企業の事業活動を、どうしたら調和させられるかを考えることが大切です。それから、できることから試してみること。周りから見ると失敗に見える結果が出るかもしれません。でも、それらは実は失敗ではなく、成功に向けた実験なのです。こうして実験を繰り返すうち、仲間も増えていきます」。

イノベーションを起こす要件とは?

パネルディスカッション後半では、イノベーションを起こす要件について議論が交わされました。白井氏は、個人の想いがイノベーションを起こす原動力となることを強調。「2014年、アレルゲンを含まないクリスマスケーキを発売したところすぐに完売し、カスタマーセンターやFacebookページに感謝の声が数多く寄せられました。この商品は、食物アレルギーを抱える子供を持つメンバーが開発したものでした」と実例を紹介しました。

和田氏は、身近なところにイノベーションの種が潜んでいることを指摘しました。「例えば私であれば、小学校の送り迎えや授業参観といった場面で新たなサービスの可能性を発見することがあります」。原田氏はこれに同意し、「自分自身の中で起きている変化に敏感に気付き、その変化を通じて社会を見ていくことが重要です」と述べました。

一方、三浦氏はイノベーションを起こす環境づくりについて言及しました。「管理職は、机上の議論で判断するのではなく、まずはやらせてみてその結果をベースに判断することです。『余計なことをするな』という雰囲気の組織では、イノベーションは期待できません」。

日経BPヒット総合研究所所長 執行役員 麓 幸子 氏

麓氏はこれらの発言を受け、「イノベーションは、自分の中の好きなものや変化を感じ取れば、すぐそこにあるのだと感じました。社外に出て、セミナーに参加したり色々な人と会うといった行動が、イノベーションを引き起こすのではないでしょうか」と議論を締めくくりました。

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