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様々な情報をクルマが察知し、自然に人に働きかける交通社会[富士通フォーラム2015 セミナーレポート]

[セミナー]クルマが変わることで社会も変わる。 富士通グループが目指す交通社会の未来

東京・有楽町にある東京国際フォーラムにおいて、2015年5月14日~5月15日の2日間にわたり、富士通最大のイベントである「富士通フォーラム2015東京」を開催しました。「クルマが変わることで社会も変わる、次世代交通社会とは~富士通グループが目指す交通社会の未来」と題したセッションでは、日経Automotive編集長の林達彦氏と富士通株式会社 執行役員 小澤基之が未来の交通社会の姿について議論しました。

クルマに乗車する子供の体調を考慮し、揺れにくい道を選んで目的地までのルートを案内する。進行方向の先で急な天候変化が発生したり見通しの悪いカーブへ接近したりすると、減速を促す。人やクルマ、社会のあらゆるものがつながる社会では、クルマがごく自然な形で人に働きかけるようになる――。富士通グループの考える未来のクルマの姿です。

「富士通は、1980年頃に自動運転の実験をしている」と言う富士通の小澤は、セッションの冒頭、当時の様子を撮影した写真を会場のスクリーンに映し出し、同社の画像処理システムをクルマの自動運転に応用した実験内容を披露。富士通グループが昔から自動車関連の技術開発に取り組んでいたことを示しました。さらに、「クルマにマイコンが搭載されるようになった1970年頃から電子部品や電装品の提供も行っており、現在はグループ全体で年間5000億円弱ほどのビジネスを展開している」と話し、最後に、クルマとICTの融合のニーズをとらえたクルマ・交通社会における富士通の最新の取り組み事例を説明しました。

新興都市と成熟都市の交通課題のいずれも解消

続けて小澤は、都市化によって渋滞が社会問題になっている新興国での渋滞解消や、公共交通網が張り巡らされた都市部で最適な交通機関の選択をアドバイスする取り組みなど、国内外で参画している複数のプロジェクトについて紹介。例として、タイのバンコクにおける交通渋滞解消の話を取り上げました。

バンコクでは、下校時間に子どもを迎えに行くクルマが、大通りから学校の路地に向かって左折する際に行列となり、大通りの渋滞を引き起こしています。そこで富士通は、歩道橋や交差点に取り付けたカメラで渋滞の発生状況を確認すると共に、周辺の状況を踏まえて渋滞発生の主因を探索。一部の車線を規制する方法を提案することで、左折待ちするクルマの行列を解消し、渋滞緩和の成果を上げています。

「バンコクのようにクルマ以外の交通手段が充実していないような地域では、都市が成長する過程と市民の行動を理解したうえで、改善策を提案することが重要です。ICT技術を駆使して科学的に根拠や成果を裏付けることで、富士通は交通社会が抱える課題の解決に貢献しています」と小澤は語りました。

鉄道やバスといった公共交通機関が発達した欧州の都市では、刻々と変わる状況に順応して最適な経路を示唆するマルチモーダル(注)経路検索のプロジェクトに取り組んでいます。電車の遅延や道路の渋滞など、交通に影響を与える様々な最新状況を考慮し、スマートフォン経由で市民にルート変更を示唆するのはもちろん、途中駅から自転車の利用を推奨すると同時に、予約機能まで提供するといった応用を試行しています。

(注)効率的な輸送体系の確立と、良好な交通環境の創造を目指し、道路・航空・海運・水運・鉄道など複数の交通機関を連携させる交通施策。

国内では、マサチューセッツ工科大学と富士通研究所が協力し、「1台3役」の公共交通の実証実験に取り組んでいます。例えば、利用者が時間優先で目的地への移動手段を求めていればタクシーとして配車し、同じ方面への利用者が複数いれば乗り合いタクシーとして配車。時間的な余裕がありコスト優先しているなら、乗り合い路線バスとして運行するというものです。「1台あたり8割ほど収益が増えています」と小澤は語り、利用者の状況に交通手段側が適応するオンデマンド交通の効果の大きさを語りました。

クルマがデータセンターと常時接続して走る世界に

それでは、クルマそのものは今後どのように進化し、次世代交通社会にどういった形で貢献していくのでしょうか。日経Automotive編集長の林氏はクルマの進化を読み解くためのいくつかのキーワードを挙げました。

1つは「カメラ」です。「すでに多くのクルマが搭載するようになった自動ブレーキにおいても、歩行者や障害物を画像認識で検出するなど、カメラは重要な役割を果たしています。画像認識によって白線を検知して車線逸脱を防止するといった用途はもちろん、将来的にカメラの感度が高まれば、夜間の歩行者や動物などを検知することも可能になり、自動ブレーキなどに用いられている技術がさらに発展すれば、ステアリング操作も自動化されて手放し運転ができるようになります。高速道路や渋滞時など一定の条件化で手放しを実現する半自動運転は、2017年頃には実用化します」と、林氏は自動車専門誌の編集に長く携わってきた立場から、クルマ社会の未来像を予測しました。

未来の交通社会を描くうえで欠かせない、もう1つの重要なキーワードが、「つながるクルマ」です。今や、渋滞情報の受信やWebブラウジング機能のように、車外と情報をやり取りできるクルマは珍しくありません。クルマ同士が通信しながら安全を確保する機能の実装に向けた動きも加速しています。

ただ、これらは「つながるクルマ」のほんの入り口。「今後はもっと進展し、クルマが常にデータセンターと走行軌跡や天候、路面、渋滞などの情報をやり取りしながら走る世界になります」と林氏は語ります。

次世代交通社会を支える富士通の最先端技術

林氏の話を受け、富士通の小澤は各キーワードに関する富士通の最先端技術を紹介しました。

富士通は現在、カメラやレーダーが人の目となってクルマの周辺状況を把握し、ドライバーに働きかける機能を研究開発しています。例えば、歩行者の検知機能です。「雨の日の夜間の運転は周囲が見えにくいものですが、赤外線カメラを使うとかなり正確に状況を把握できる。また、カメラで撮影した画像から軌道のふらつきを検知し、安全な方向にクルマを制御する技術の研究も進んでいます」と小澤は話します。その他にも、車載カメラや距離センサーの情報を組み合わせて、クルマと周囲の状況を3次元画像で再現する技術も研究中です。

車外のみならず、車内の状態把握にも技術は広がっており、例えば、ドライバーの様子を撮影した画像から注意力が下がっていないかを判断し、注意を促すことなどが可能になります。商品化したものでは、ドライバーの眠気を検知してアラートを出す脈波センサー「FEELythm(フィーリズム)」などがあります。

一方、「つながるクルマ」を具現化するICT基盤となり得るのが、クルマから走行情報やセンサー情報などを収集して活用する富士通のモビリティプラットフォームサービス「FUJITSU Intelligent Society Solution SPATIOWL(スペーシオウル)」です。最近ではトヨタ自動車様が燃料電池車「MIRAI(ミライ)」向けの情報提供サービスとして、「SPATIOWL」が提供する水素ステーション情報を利用。クルマの水素残量や走行状態、位置情報を鑑みながら、水素ステーションの情報を伝えるサービスを提供しています。

「危険地点マップや気象、走行情報、ドライバーの運転傾向などありとあらゆる情報を収集して分析することによって、より安全な交通社会システムに貢献することができます」。小澤は「つながるクルマ」が普及した未来の交通社会における「SPATIOWL」の可能性と役割を、このように説明しました。
ゴットリープ・ダイムラーとカール・ベンツが1886年に現在の自動車の原型を発明してから、今年で129年。カメラやセンサー、ネットワークなどのテクノロジーによって、より安全で快適な交通社会が生まれようとしています。交通社会の分野でも、長年培った富士通のテクノロジーが道を切り開こうとしています。

登壇者
  • 日経Automotive
    編集長 林 達彦氏

  • 富士通株式会社
    執行役員 小澤 基之

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