電池交換不要で曲げ伸ばしが可能!ビーコンが実現する新しいサービスとは?

小型の「ビーコン」が様々なモノをネットにつなげる

観光地や行楽地に出かけたり、スポーツイベントやコンサートに足を運んだりする機会も多くなるこの時期。最寄駅や空港などに着いたら、今までは案内板を見たり、人に聞いたりして、イベント会場までの道順を確認するのが当たり前でした。最近では大まかな道順はスマートフォンで表示することができますが、それに付随するサービスの提供は普及にまでは至っていないのが現状です。

そんなサービスを可能にしてくれるのが、「ビーコン」と呼ばれる小型の電波発信装置です。例えばショッピングモールの店舗にビーコンを配置し、店のそばを通りかかった人のスマートフォンに「セールのお知らせ」や「商品の広告」を配信するなど、ビーコンは様々なサービスを提供することができます。
このように、ビーコンは世の中に存在する様々なモノに通信機能を持たせ、インターネットに接続する「IoT(Internet of Things)」を支える技術として注目されています。

従来のビーコンは、起動時に必要な電力を確保するための制御回路として、電源ICや充電式電池などの電源部品が必要でした。しかし、給電や電池交換の手間を考えると、導入や運用にコストがかさむといった課題がありました。また、電源部品の薄型化や軽量化には限界があり、設置場所が限られることも課題でした。

電池交換が不要でコンパクトサイズを実現。伸縮素材で設置場所を選ばず

そこで富士通は、電池交換が不要で、形状を自在に曲げたり伸ばしたりできるビーコンを開発しました。大きな電力を必要とする無線通信モジュールの通信直前時に、必要な電力が蓄えられたことを認識した後で一時的に電源監視を停止。これにより、通信直前の電力を削減することができます。

電源制御の動作の仕組み

当技術により、従来と比較して約9分の1の蓄電素子で動作可能となり、太陽電池を用いて電力供給ができるようになります。
また、伸縮可能なシリコン性の薄膜シート(注1)に実装することで、厚さ2.5mm、重さ3gの薄型軽量ビーコンが実現できます。曲げたり伸ばしたりすることができ、設置の自由度が高まることから、天井や照明の隙間、LED電球の表面、さらには人の服、腕など、これまで設置が困難だった場所での適用が考えられます。

(注1) 富士通アドバンストテクノロジ株式会社が開発。

開発したビーコン

ビーコンの利用により様々なサービス向上を

今回開発したビーコンの使用により、従来、半年から1年の単位で必要だった電池交換が不要となり、作業の手間を省いて導入障壁を下げられるため、様々な利用シーンに応用することができます。
例えば、スポーツ競技場や駅や空港の構内にこのビーコンを設置し、スマートフォンを持った来場者の現在位置を把握することで、来場者の会場への席案内や、施設内の経路誘導などが行えます。また、人の動線を把握し、スタッフの位置や人数配置をリアルタイムに変更することも可能です。

建屋内にビーコンを定点網羅的に配置すれば、スマートフォンを持った人たちが建屋内のどの位置にいるかを把握できます。これにより、警備員の配置を把握し、配置転換の指示などを迅速に行うことができます。
また、病院内の各部屋にビーコンを設置し、様々な医療機器がどこにあるかをナースステーション側で随時把握することもできます。緊急の手術や治療の時に、医療機器の迅速な手配を行うなど、医療活動のスピードアップに貢献します。

富士通では、今回開発したビーコンの安定動作や連続稼働などの検証を行い、2016年度中の実用化を進めていきます。その後、このビーコンをさらに活用し、人やモノの情報を繋げるIoTのさらなる拡大を目指します。