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地震発生から最短10分で津波予測!スパコンで世界を津波から救う

津波の到達時間の推定値

家屋が倒壊する確率の推定値

想定を遥かに上回る大地震。津波の高さを正確に予測できず

2011年3月11日に発生した東日本大震災では、地震の規模が想定を遥かに上回ったため、発生する津波の高さを正確に予測することができませんでした。地震発生から3分後には、津波の高さの予報値が発表されていましたが、結果的には、その予報値を上回る大きな津波が沿岸の街を襲ったのです。

そのことは、地震の発生とあわせて津波の高さをリアルタイムで推定することの難しさを改めて浮き彫りにしました。また、津波の高さだけではなく、被害を最小限に抑えるためには、浸水範囲などを予測した情報の必要性も指摘されました。

そこで、東北大学と富士通研究所は、新たな津波シミュレーションモデルの開発に着手。このほど、国際的に広く用いられている東北大学の津波シミュレーションモデル「TUNAMI-N2」をもとに、スーパーコンピュータ「京」を代表とするスパコンで実行可能な高解像度の津波モデルを共同で開発しました。

地震発生から最短10分で津波浸水範囲を予測可能に

これは、地震発生時に、沖合での津波の波形や陸地での地殻変更の観測データを用いて推定される海面変動(津波の波源)を入力すると、短時間で津波の浸水状況を予測できる津波モデルです。このモデルを活用すれば、仙台市の臨海域の南北約10kmを5m単位という高い解像度でモデル化した場合でも、東日本大震災当時の浸水概要を把握するのに必要なシミュレーションが「2分以内」で完了することがわかりました。これは、同じ計算をワークステーションと呼ばれる高性能なコンピュータで行うと「数日間はかかってしまう」というほどの膨大な計算量です。

東日本大震災では、地震発生の1時間後に津波が仙台市に浸水し始めましたが、このモデルを活用すれば、津波の波源を推定するのに要する時間を含めても「最短約10分」でおおよその浸水域を推定することが可能です。

例えば、東日本大震災で実際に見られた仙台東部道路の盛土が津波をせき止める様子や、道路下の通路を津波が通り抜ける様子など、具体的な災害の予想イメージをテレビなどで広く伝えたり、スマートフォンなどを通じて住民に事前に知らせたりすることが可能になります。住民は、より詳細な予測に基づいた避難行動を迅速に取れるようになり、行政側も、より適切な避難行動を住民に促すことができるのです。

このモデルが実用化されれば、津波被害が想定される世界各地で利用が可能になります。
東北大学と富士通研究所では、津波に関する共同研究を2014年より進めています。今後、より広範囲な震源域を持つ南海トラフ巨大地震の想定ケースなどに対しても検証を進め、災害対策に貢献していきます。

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