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デジタルマーケティングのこれから ~"鍵"はデータドリブンでのヒトへのアプローチ~(前編)

近年、スマートデバイスとソーシャルメディアの爆発的な普及によって、企業のマーケティングの在り方が大きく変化しました。特に24時間、どこにいてもインターネットにアクセスできる環境が約束されたことは、企業側にとっては、デジタルマーケティング実践の効果と影響範囲を飛躍的に拡大させたと言えます。企業の現場に浸透し始めたデジタルマーケティングの取り組みには、今後、更にどのような可能性が秘められているのか。富士通におけるデジタルマーケティング分野を牽引する小林泰・統合商品戦略本部 ビジネスアプリケーション推進統括部デジタルマーケティング推進部長に語っていただきました。

デジタルマーケティングが企業の経営戦略に不可欠なものとなっています。そもそもどのような背景があるのでしょうか?

ここ数年、情報システムの更なる進化やインターネットの普及により、個人のPCやモバイルフォン、様々なネット対応デバイスなど、いわゆるマルチデバイスを駆使した情報収集や共有・発信が盛んに行われるようになりました。経営層にとってテレビや新聞、雑誌などのマス・マーケティングは、ROIが不明確で、営業が持つ顧客情報の見える化も進んでいませんでした。しかし、インターネット接続が常態化された昨今、我々消費者なり企業内個人がフット・プリント(足跡)を残し始めた途端に、Webサイトのアクセスはもちろんのこと、メールマガジンやスマホ・アプリのプッシュ通知に対する反応などを把握できるようになり、これらのデータをマーケティング戦略に活用する「デジタルマーケティング」という分野が確立されたのです。加えて、企業内に複数構築されたデータベース内には顧客情報、販売情報、キャンペーン情報などが格納されており、更にデジタルでのコミュニケーションで得られた顧客属性や接触履歴を管理・連携させ、それぞれの顧客に応じたきめ細かいエンゲージメントを実現することで、顧客との恒久的で最も良好な関係を築き、LTV(顧客生涯価値)を最大化させるCRM(顧客情報管理)が可能となりました。

また「リード・ジェネレーション&ナーチャリング」という見込み客、獲得、育成の取り組みも国内で活性化し始めています。企業がデジタルマーケティングを駆使することで、個々のお客様に最も相応しい提案が、売り手と買い手双方が必要とする最適なタイミングで実現するようになったのです。従来の基幹システムに格納されていた膨大で貴重な情報と、このデジタルマーケティング時代の到来によって得られた情報とを結び付けることで、顧客洞察を深めながら、購買予測を実現させる。これが、デジタルマーケティングの真骨頂と言えるでしょう。お客様の興味・関心から検討度合いなどに合わせて最適なコンテンツを提供することに徹底的にこだわることで、購入検討中のお客様は、快くその情報に接し、次の行動を見せるでしょう。豊かな顧客体験価値(CX= Customer Experience)は、デジタルマーケティングが為し得る最大の提供価値と言えるのではないでしょうか。

象徴的な事例をお話しましょう。例えば小売業のお客様で近年注目されているのが「オムニチャネル」という概念です。ご存知の方も多いと思います。自社の店舗やECサイト、ソーシャルメディアなど、あらゆる接触チャネルを統合管理することで、お客様が欲しい時に買いたい方法で購入でき、受け取りたい店舗まで選択できる購買体験を実現することが可能となったのです。

日本は、欧米に比べデジタルマーケティングの取り組みで立ち遅れ感があったものの、モバイルデバイスとWiFi等インターネット接続環境の普及によって欧米に追いつく勢いを見せ始めました。そもそも世界でも稀にみるスピードで携帯電話が普及した下地の上で、さらに生活者がスムーズにスマートフォンに移行したスピードの速さが、データドリブン志向のマーケティング実践に期待が高まった要因ではないでしょうか。

デジタルマーケティングという言葉は、企業の業種、事業様態によって様々な解釈がされているようです。取り組みを進めるにあたって、どのような領域で、どういった適用がなされるべきでしょうか?

このデジタルマーケティングというキーワードを耳にすると、アド・テクノロジーを駆使したキャンペーンを想起する方も多いと思います。が、私どもは、まずもってビッグデータ、データ・マネジメント・プラットフォーム(DMP)、ネットワークやセンシング、そして、それらの全てを統合したICTで実現される、顧客志向の、つまり、ヒューマン・セントリックなマーケティングと考えています。あくまでヒトにフォーカスしているのです。

昨今、生活者のライフスタイルも劇的に変化しました。ベッドで寝る時も枕元にスマートフォンを置いている方が急増しています。つまり、思い立てば24時間、いつでもフェイスブックやツイッター、そしてその先にリンクされる企業Webサイトにアクセスできる環境が整ったのです。これをビジネスに生かさない手はない。枕元にレジがあるようなものです。ヒトへの接触機会が最大24時間に拡大しようとしています。

これまで企業は、集客のため街頭でチラシを配ったり呼び込みをしたり、ブランド確立のためにマス広告などを駆使してお客様や市場への訴求を行ってきました。ビジネスチャンスが24時間規模に拡大したことは、これまでの広告やキャンペーンの在り方を劇的に変えることになるでしょう。そして、ICTを最大限活用した、このヒトにアプローチするデジタルマーケティングによって、その予算や社内外のリソースを劇的に塗り替えることになる、と私どもは見ています。

デジタルマーケティングを実践する上での課題は何ですか?

経営的視点で考えると、お客様が購入前に商品やサービスを検討するための情報を取得する機会が増加したのですから、当然、ビジネスチャンスが増え、売上を上げる絶好の好機が到来したと言えましょう。

しかし、ビジネスを取り巻く環境が良い方向に変化しているにも関わらず、まだまだマーケティングが投資ではなくコストと認識される傾向にあります。「デジタルマーケティングを実践することでコストが20%削減できます」という起案よりも、「デジタルマーケティングを実践することで20%売上が増えます」というのは、想像以上の理論武装とファクトを準備する覚悟が必要です。

私は、現場のお客様からこうしたお話をしばしばご相談いただきます。その際にご提言させていただくのは、一部門だけで新しいムーブメントを起こそうとするのではなく、各部署が連携し、CIOもCMOも同じKPIを共有する動きが最も近道、ということです。「言うは易し行うは難し」ですが、それ以外に方法は無いのです(笑)。何事も顧客が答えを出します。その結果が、経済、市場、企業、組織、ヒトの固定観念を変えていくのでしょう。

なるほど。確かにデジタルマーケティングの領域は多岐にわたるものの、今後、大きな可能性と変革性を持っている分野だということが分かりました。後半では、この分野における富士通グループの事例と、更には将来への展望を語っていただきたいと思います。

デジタルマーケティングのこれから ~"鍵"はデータドリブンでのヒトへのアプローチ~(後編)はこちら

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