LED照明にスマホをかざし、知りたい情報をその場で入手

消費電力が少なく、色合いが美しいLED照明

最近、街のあちこちでイルミネーションを見かけるようになりました。幻想的な光を放つ青色LEDは、色合いの美しさだけではなく消費電力が少ないこともあり、急速に普及しています。青色LEDは、2014年に赤崎勇氏、天野浩氏、中村修二氏が、その発明によりノーベル物理学賞を受賞したことで、大きな話題になりました。

LEDとは「発光ダイオード」と呼ばれる半導体で、「Light Emitting Diode」の頭文字を取ったものです。イルミネーションだけでなく、家庭内の電球や蛍光灯、液晶テレビのバックライト、電光掲示板などに幅広く応用されています。このLEDを用いた新しい照明技術を、富士通研究所が開発しました。

LEDから発せられる光の中にID情報を埋め込む技術

富士通研究所が開発したのは、LEDから発せられる光の中にID情報を埋め込み、その光が照射されたモノにスマートフォンのカメラを向け、詳細な情報を読み取る技術です。LED照明の光の3原色(赤・緑・青)の強弱を精緻にコントロールし、わずかに変化させることで、光の中に情報を埋め込みます。一つのLED照明につき一つのID情報を付与できるので、個々の商品や展示物ごとに異なる情報を発信できます。

例えば、店舗のショーウィンドーに並べた商品をLED照明で照らし、その商品にスマートフォンのカメラを向ければ、商品の詳細を見ることができます。LED照明の光をスマートフォンで読み取ることで、様々な情報にアクセスすることができるのです。

これまでも、商品や展示物にQRコードやNFC(近距離無線通信)タグなどを直接貼り付け、関連する情報をスマートフォンで受信する方法はありました。しかし、従来の方法では、QRコードやNFCタグに直接スマートフォンを近づけて読み取らないと情報を受信することはできませんでした。

また、美術品や建造物などにQRコードやNFCタグを貼り付けることは難しく、貼り付けられる場合でも、美観を損ねてしまうなどの問題があり、用途が限定されてしまっていました。

離れた場所からスマートフォンで様々な情報にアクセス

今回開発したLED照明技術は、対象物に必要以上に近づく必要がなく、離れた所からでも、光が照射されている対象物にスマートフォンのカメラを向ければ、情報を得られるのが特長です。その応用範囲は様々に広がると考えられています。

例えば、コンサート会場でLED照明に照らされた舞台上のアーティストにスマートフォンのカメラを向ければ、演奏中の楽曲をダウンロードできるといった使い方が可能です。観光地の歴史的建造物や看板などをLED照明でライトアップし、それをスマートフォンで確認すれば、詳しい情報や解説が母国語で表示されるといった用途も考えられます。将来的には、店頭で買いたい商品にスマートフォンのカメラをかざし、自動決済から配送手続きまで行うことなども可能になるかもしれません。

LED照明は、省エネ効果が高いことから、通常の電球を使用するのと比べてCO2削減効果も期待できます。富士通は、新しい照明技術によりLED照明の普及をさらに加速させ、地球環境の改善にも貢献していきます。