富士通ビッグデータフォーラム2014 取材レポート

2014年11月13日(木)、東京駅丸の内南口の旧東京中央郵便局敷地に建設された超高層ビルJPタワー内のホール&カンファレンスで「富士通ビッグデータフォーラム2014」を開催しました。 FUJITSU JOURNAL編集部が取材に行きましたので、会場の様子をレポートします。

ビッグデータ活用の現状

ビッグデータの活用は、新たなビジネスの創出や顧客接点の強化、利益の拡大など実践のフェーズに入ってきていますが、競合他社との差異化を実現するためには、いかに高度にデータを分析して、商品開発、マーケティングに活用していくかが大きな課題となっています。

富士通の最先端テクノロジーと高度なデータ分析力により、それらの課題を解決して、お客様の成長に向けたイノベーションの加速や新しい価値の創出にお役立ていただくため、「富士通ビッグデータフォーラム2014」を開催し、適用シーンやソリューションなどの展示やデモンストレーション、セミナーでご紹介しました。

富士通のビッグデータへの取り組み

富士通株式会社 統合商品戦略本部長 森下健作

セミナー会場では、まず当社の統合商品戦略本部長の森下健作がご挨拶しました。
『これらインターネットにつながるモノは、2013年の100億個から、2020年には500億個以上にも増加すると予測され「ハイパーコネクテッド・ワールド」が出現する。この新たな世界を生み出す原動力が「Internet of Things(IoT)」と「ビッグデータ」であり、重要となる経営資源は、「人・情報・インフラ」の三つだと富士通は考えている。これからの時代におけるイノベーションへの新たなアプローチは、この三つの経営資源を融合させるソリューションやサービスを通じて、ビジネス・社会の価値をお客様と「共創」で実現していくこと。富士通はこれを「ヒューマンセントリック・イノベーション」と呼んでいる。』
と、ビッグデータとヒューマンセントリック・イノベーションの関わりについて説明しました。

東京大学 先端科学技術研究センター 教授 森川博之氏

続いて、東京大学 先端科学技術研究センター 教授 森川博之氏にご登壇いただきました。
「新たなビジネスを拓くビッグデータ」と題し、『いろいろと言われているがビッグデータに解はない』と始まり、『社会基盤としてのICTとして、データがあらゆる場面で価値を生み出しており、どう使っていくかというフィールド指向や、それらを気づくのが重要。ビッグデータをどう使っていくかストーリーを作り込める人材が必要となってきている。』と語られました。

多種多彩なセミナーセッション

オープニングセッションの後は3つのトラックに分かれてセミナーセッションに移りました。
ここでは全9セッションのうち、一部のセミナーの様子をお伝えします。

業務プロセス変革を実現するビッグデータ活用事例

飲料メーカー様の短時間で効果的な販売施策の立案、百貨店様の現場視点での分析結果活用によるお客様の嗜好にあわせた接客、専門店様での売り場販売員の接客行動の可視化・分析によるサービスの質向上など、今年5月に発表した「ODMA(Operational Data Management & Analytics)」のソリューションを中心に、経営層等に加え、ビジネスの現場でも、データに基づく未来予測をリアルタイムに活用する動きが出てきていることをイノベーティブソリューション事業本部長の柴田徹よりご説明しました。

ビッグデータ・オープンデータ利活用を支える富士通研究所の先端技術

『ビッグデータ利活用の流れには、新しいデータ、新しい分析・活用方法、新しい適用領域の3つがある。』とした上で、新しいデータでは、オープンデータの活用として、地域特性評価やLOD(Linked Open Data)を用いたデータ統合・活用。新しい分析・活用方法では、ソーシャルメディア情報を用いた行動分析や他の情報を統合した災害検知、需要予測に基づいた在庫適正化。新しい適用領域では利用者満足度に基づくオンデマンド交通をご紹介。また、人工知能として東大入試ロボットの現状を富士通研究所 ソーシャルイノベーション研究所 部長の湯上伸弘よりご説明しました。

ものづくり、アフターサービスの実証から見えてきた次なるステージ

『現在のメンテナンス業務は、お客様の設備の老朽化や、オペレーション技術が継承できないために、大きな事故や火災につながるケースが発生している。このようなメンテナンス業務の課題は、技術、技能を持つ人材の育成/確保と、故障などの予測、未然防止、再発防止であると言われているが、知見やノウハウ、カンやコツに頼っていた部分をICTとデータを活用することで、効率化できる。』として、成功事例をビッグデータイニシアティブセンターの安部純一よりご紹介しました。

データ統合によるデジタルマーケティング戦略

『デジタルマーケティングでは、多様かつ大量なビッグデータを収集・分析し、お客様と企業の間のあらゆる接点で、「個客」の属性に最適な"満足"を生み出す"経験"を、リアルタイムに提供することが必要であり、戦略的な情報活用やタイムリーかつ最適な意思決定が重要となる。一人一人のお客様に応じたアプローチを実現するために、富士通はリアル(実店舗)やネット(EC、ソーシャルメディアなど)で行きかうビッグデータまでを収集・統合、分析して、顧客体験を生み出す「カスタマー・エクスペリエンス ソリューション」で企業の競争力を高め、"攻め"のデータ活用をご支援する。』と、事例を交えてデジタルマーケティング推進部 部長の小林泰よりご紹介しました。

ビッグデータをフル活用! ビジネス現場でのモバイル適用例

『IoTのデータ活用で企業の現場でイノベーションが加速、スマートデバイスの活用もコミュニケーションから現場への活用に拡がってきている。それらニーズの広がりと課題への対応のためFUJITSU Mobile Initiativeとして商品を体系化している。』とビッグデータイニシアティブセンターの戸賀瀬郁子が説明し、続けてAR(拡張現実)のモバイル適用例として、沼津工場での社内実践例や自動車整備、在庫表示などへの活用に加え、位置情報やナレッジDBとのモバイル適用をご紹介しました。
また、富士通デザインの平野隆からは、モバイルを活用したワークスタイル変革をどのように推進すればいいのか。それに対し、デザイン思考の共創のコンセプトと、具体的な進め方としての場「HAB-YU」など、富士通がどのようなサポートをしていけるのか。を説明しました。

M2M/IoTにおける富士通の技術と適用モデル

『IoTの到来により、店舗では、興味・関心を分析する視線検知技術による陳列方法への活用が。工事現場では、超薄型センサーにより、作業員の方々の作業状態や、作業環境を把握して、アラームを出したりすることができるようになる。』『デバイスからネットワーク、サーバ、アプリケーションまでをワンストップで提供できる当社ならではの強みを生かしたIoT時代のイノベーション実現に向け、お客様との共創を進めていく。』と、IoTビジネス推進室 室長の須賀高明よりご説明しました。

展示コーナー

展示コーナーでは、それぞれセミナーのテーマに併せた展示を行い、セミナーで概要を聴いた後、展示で実際の体験をするといった流れを作り、具体的なソリューションをイメージしやすくしました。

展示は「業務プロセス改革/需要予測」と「マーケティング高度化」の2つに大きく分け、それに商品・サービス強化を加えています。

「業務プロセス改革/需要予測」では、ウェアラブルデバイスとARによる現場作業の効率化をはじめ、機器の稼働監視業務の高度化、工場のエネルギーマネジメント、データ分析手法からそれを高速化させるシステムまで網羅し、デモを通してご紹介しました。

現場作業の効率化
[ヘッドマウントディスプレイ、ウェアラブルキーボード]

稼働監視業務の高度化
[GLOVIA ENTERPRISE MM]

工場のエネルギーマネジメント
[環境経営ダッシュボード]

ビッグデータ高速化
[UNIXサーバー SPARC M10]

「マーケティング高度化」では、協業によるネット家電を使った消費実態情報の提供、興味・関心を見える化する視線検知技術、客の行動に応じた個客プロモーションなどに加え、商品・サービス強化として、IoTやビッグデータ向けの変化に追随する分散コンピューティング技術の紹介を行いました。

ネット家電を使った消費実態情報の提供
[分析サービス]

興味・関心を見える化する視線検知技術
[視線検出技術]

客の行動に応じた個客プロモーション
[購買客動態判定アプリケーション]

変化に追随する分散コンピューティング技術
[広域分散処理技術]

13時の開場から、18時の終了まで、終始たくさんのお客様にご来場いただき、ほぼすべてのセミナーが満席、セミナーの合間には展示コーナーが溢れんばかりの熱気に包まれて、来場者の方々のビッグデータに関する富士通への期待感がひしひしと伝わるイベントでした。