ビッグデータに「心理分析」を取り込む!九州大学と富士通が実現する「暮らしやすい」社会

人々の「心理」を組み込んでビッグデータを分析する

人々の暮らしと密接に関わるようになってきた「ビッグデータ」。ふだんの暮らしの中でも、多様なデータが収集・分析されています。

例えば、買い物の時に提示するポイントカードでは「購入履歴」、ICカード付き乗車券では「乗車履歴」などのデータが分かります。つまり、人々の行動の「実績」に基づくデータは、すでに生活の中のあちらこちらで比較的簡単に収集されています。

しかし、ある事象に対し、「人々がどのように考え、今後どのように行動するか」といった「心理」の部分に関しては、これまであまりデータの収集は行われていませんでした。

もし、人々のインセンティブや心理を分析しデータに裏付けられたモデルとして捉えて、行動や心理の動きを予測できるようになったら……。例えば、国際的なスポーツ大会で、「試合に勝った時に観客はどう考え、どう行動するか」等を予測した上で、効果的な警備員の配置を実現することができそうです。

今、求められているのは、実績に基づいたビッグデータの分析ではなく、人々の心理とビッグデータの「融合」です。それをもとに、多くの人が暮らしやすいと感じる社会システムを作り上げる。そのために、九州大学、富士通、富士通研究所の三者は、共同で研究を開始しました。

九州大学、富士通、富士通研究所がタッグを組み、社会的課題の解決に貢献

まずは九州大学内に「富士通ソーシャル数理共同研究部門」を設置して、人々のインセンティブや心理を分析しデータによる裏付けのもとでモデル化。その結果をもとに、「誰もが暮らしやすい」と感じる理想的な社会システムモデルを作ります。そのモデルをもとに、「多くの人にとって公平で納得できる社会の仕組みや制度」を設計し、社会に与える影響を「見える化」します。

これにより、「国際的なスポーツ大会でのセキュリティの確保」や「曲がったキュウリなどの規格外品と、外見にはこだわらない消費者とのマッチング」のほか、「効率的な電力市場の設計」「学習者のモチベーションや知識量を考慮した学習の支援」などが可能になります。人間の行動や心理をデータと合わせて分析することで、多くの人が暮らしやすいと感じる新たな社会が実現するかもしれません。

富士通では、それらの取り組みに対し、クラウドでスーパーコンピュータを利用できる環境も提供します。今回の分析対象は、人々の行動や心理が追加された、いわば「より複雑化されたビッグデータ」です。その集計や分析には高度の計算能力を持ったスーパーコンピュータが不可欠。しかも、クラウドで環境を構築するため、設置スペースを取らないなどのメリットもあります。

富士通は、今回の共同研究をもとに、九州大学とより密接に人材交流も進め、さまざまな社会的課題の解決に取り組んでいきます。富士通が目指すのは「ヒューマンセントリック」な社会。九州大学との連携で、人々を中心としたICTの活用、それによる理想の社会に、さらに近づいていけると確信しています。