キーワードは「SDN」、今まさに始まろうとしているネットワークの構造改革

ネットワーク運用管理を効率化する「SDN」

今、通信ネットワークの世界で、大きな構造改革が起こっています。SDN(Software Defined Networking)と呼ばれる技術によって、ネットワークの構造が作り替えられようとしているのです。SDNについて説明する前に、これまでのネットワークが抱えていた課題について簡単に説明しましょう。

ネットワークは、ルーターやスイッチなど、様々な役割を持った通信用ハードウェアがケーブルで結ばれて構成されています。通信用ハードウェアはそれぞれが独立したコンピュータで、設定や構成も機器ごとに行う必要があります。

しかし、クラウドコンピューティングをはじめとして、ネットワークの利用が爆発的に増えてくると、今までの仕組みでは間に合わなくなってきました。一番の課題は、多数のコンピュータが集められ、クラウドコンピューティングの頭脳となっているデータセンターです。需要に応じて、通信回線やコンピュータを増強、変更するごとに、通信用ハードウェアの構成や配線を入れ替えたり、設定を変えたりするのは、管理者にとってめまいがするほど大変です。

SDNの考え方は、こうした課題を解決するために生まれてきました。ハードウェアの接続はそのままに、集中管理用ソフトウェアですべてのハードウェアの設定をまとめて行い、柔軟にネットワーク構成を変えることができるのです。

ICTの最適化を行うFINCA

データセンターにおけるSDNはすでに実現され、ネットワークの管理はとても柔軟になっています。しかし、ネットワークはデータセンターの中だけに留まるものではありません。通信事業者が提供している光ファイバー網、携帯電話網などの広域ネットワーク、スマートフォンやタブレットなどで使うWi-Fiなど、あらゆるネットワークをSDNでつなぐことができたら、もっと便利で快適なサービスを提供できるのではないか?

そう考えて富士通が発表したのが、「Fujitsu Intelligent Networking and Computing Architecture(FINCA)」というアーキテクチャーです。データセンター、広域ネットワーク、スマートデバイスという3つの要素について、SDNに基づいたネットワークの最適化を行うものです。

FINCAによってあらゆるレベルのネットワークを最適化すれば、サービス事業者は新しいサービスを短期間で立ち上げられ、通信事業者は通信回線を効率的に使うことができます。
また、大規模な災害発生時にはネットワークの構成を動的に変え、災害支援に必要な情報を優先的にやり取りするといった事も可能になります。

SDNによる広域ネットワーク仮想化

FINCAの全体像は、すでに見えてきています。今年6月に行われた「Interop Tokyo 2014」では、データセンターに続き、2つめの要素となる広域ネットワークの最適化を実現する新製品「Virtuoraシリーズ」を発表しました。
Virtuoraシリーズは、これまでデータセンターで実現していた仕組みを広域ネットワークに適用することで、ネットワークサービスの早期提供を可能にし、コスト削減に貢献します。

通信事業者が担う広域ネットワークには、これまでにもほぼ10年おきに大きな変革がありました。ISDN(総合サービスデジタル通信網)、ATM(非同期転送モード)セルネットワーク、NGN(次世代IPネットワーク)……。富士通はこれらすべての構造改革を通信事業者と一体になって成し遂げてきたからこそ、ハードウェアやソフトウェアの技術だけでなく、既存資産の活用・移行も含めたトータルなソリューションを提案することができます。通信事業者に導入されている既存ハードウェアを活用できますから、新規の機器投資コストを抑えつつ、SDN的な構造のネットワークへと移行できるわけです。

SDNによる変化は、一般消費者の方々がほとんど気づかないうちに、静かにしかし着実に進んでいます。次の段階へと進化したネットワークの上で、多くの企業が新たなサービスを次々と展開することでしょう。富士通が進めるネットワークの構造改革によって、私たちの生活は今よりさらに快適で安全になっていくはずです。