"次世代医療" おすすめ展示コーナー

「富士通フォーラム2014 東京」おすすめ展示コーナーご紹介。「次世代医療」コーナーでは、ICTの進化によって実現する新しい「医療」の姿を最新の取り組みとともにご紹介しました。

ICTの進化で医療の未来は「治す医療」から「支える医療」へ

東京・有楽町にある東京国際フォーラムにおいて、2014年5月15日 木曜日、16日 金曜日の2日間にわたり、富士通最大のイベントである「富士通フォーラム2014 東京」を開催しました。

これまでも、医療分野は電子カルテに代表される医療情報システムによってICT化がすすめられてきました。そして今、ICTの更なる進化によって、病気の患者さんを「治す医療」から個別化医療などの新しい医療アプローチの実現、そして生活そのものを「支える医療」へと進化しようとしています。

たとえば、名古屋大学医学部附属病院との共同研究では、これまでに蓄積された数多くの患者さんの膨大なカルテを高速で解析。今までは知られていなかった、薬の重大な副作用が見つかった場合、そのリスクを最小限に抑えるために、膨大な診療情報から類似した症例を抽出して、同様の患者を探索するというビッグデータ解析の研究が進んでいます。

同じくビッグデータの解析技術を活用した取り組みでは、インシデントの要因分析や看護の必要度について、自由な記述部分も含めて分析し、看護の提供体制を最適化する等、これまで蓄積してきた情報を利活用する技術開発が進んでいます。

バイオテクノロジー領域では、遺伝子情報の臨床活用の研究が進んでいます。遺伝的要因が影響をおよぼす疾患を見いだして発症を抑える先制医療や、医薬品の効き方や副作用のコントロール、遺伝子治療による個別化医療等の実用化に向けて、ICTが多方面に支援していきます。

さまざまなプレーヤーとの業際連携を加速

再生医療や新薬の開発など、これまで個々に研究開発を進めてきた医療機関や大学、製薬会社、さらには介護、健康全般の情報などを有機的につなげ、業種を超えた取り組みを加速していきます。

たとえばこれまで各々にICTが導入されてきた医療と製薬の領域をネットワークで連携することにより、革新的な医薬品開発支援基盤へと発展。またこれを医療機器の領域へと拡張していくことで、“ドラッグラグ”や “デバイスラグ ”など社会的な課題の解決にも貢献していきたいと考えています。

このように医療分野でのICTの利活用がすすんでいますが、その代表的な事例のひとつとして、スーパーコンピュータを使った新薬開発をご紹介します。

これからは新薬もICTで創る!日本最大規模の創薬クラウド

「創薬クラウド」と聞いてもピンとくる方は少ないと思います。これはクラウド技術を活用し新薬を開発する仕組みのことです。

新薬を開発するには膨大な量の計算が必要です。そのため、スーパーコンピュータを使うことが多いのですが、このスーパーコンピュータの処理能力をクラウドで提供することで、電力制限や設置スペースの関係で大学や企業の研究所内に構築が困難だった大規模な計算環境が利用できるようになりました。

この環境を利用することで、膨大な量の計算に基づくシミュレーションにより薬の効果を正確に予測できるようになり、画期的な新薬の開発につながる研究環境を実現することができました。

実はこちら、日本最大規模の創薬クラウドで、すでに東京大学様が新薬開発に利用されています。展示ブースでは、PCの中に何やら不思議な生命体のようなものがくるくると回っていました。創薬クラウドを使って医薬品の標的タンパク質とシミュレーションで作った医薬品の候補物質が相互作用する様子を可視化したものです。

新薬の開発は、医療の進歩に大きく貢献します。創薬に必要な膨大な計算をクラウドで処理できるようにしたことで、スーパーコンピュータを設置できない研究機関でも新薬開発が可能になります。

電子カルテに始まったICTの活用は、医療や介護、日常の健康情報全般へと拡がってきています。さらにビッグデータ技術や遺伝子情報などを活用した新たなアプローチにも対応する次世代医療ICT基盤へと展開しています。「次世代医療」コーナーでは、医療の進歩においてICTが不可欠であることを感じつつ、今後への期待が高まりました。