マイナンバーは、民間にどんなメリットをもたらすか?

[特別講演]民間企業におけるマイナンバーの円滑な導入・利用に向けて

東京・有楽町にある東京国際フォーラムにおいて、2014年5月15日 木曜日、16日 金曜日の2日間にわたり、富士通最大のイベントである「富士通フォーラム2014 東京」を開催しました。15日の特別講演では、内閣官房内閣審議官 向井治紀氏をお迎えし、2016年に本格的な導入を控える社会保障・税番号制度の民間企業における利用例や導入のメリット、そして導入前にすべきことをお話しいただきました。

マイナンバーで、民間企業の事務処理を軽減できる

健康保険や年金、税金の手続き、パスポート、住民票の発行など、国や自治体のサービスは担当する省庁もバラバラで、煩雑な手続きが必要になっています。こうした状況を解決すると期待されているのが「マイナンバー」制度。マイナンバーは、国民1人1人に番号を割り当て、サービスの利便性を高めようというもので、2015年10月には個人番号の通知が始まり、2016年1月から実際の運用が始まることになっています。マイナンバーが民間企業にどのようなメリットをもたらすのかを、内閣府番号制度担当室長の向井治紀氏が解説しました。

まず、挙げられたのが源泉徴収などの事務負担の軽減です。現在、企業は従業員の源泉徴収票と給与支払報告書を、従業員住所の市町村や税務署に仕分けて郵送しています。今後は、地方税ポータルにオンラインで情報を送信すると、このポータルが個人番号に基づいて必要な組織に振り分けることになります。

本人認証機能やマイガバメントは、ビジネスの活性化につながる

マイナンバーによって民間サービスの利便性が高くなることも期待されています。銀行の口座開設や携帯電話の申し込みなど本人確認を厳密に行わなければならない取引では、これまでのところ確認用書類を郵送する必要がありました。国民一人一人に交付される個人番号カードを用いることで、企業は従来よりも本人確認を迅速に行うことが可能になります。オンラインバンキングなどでは、IDとパスワードでの認証よりも高いセキュリティレベルを実現するために、個人番号カードを使ったログインも検討されているということです。

そして、マイナンバーを活用した電子政府、「マイガバメント」の将来ビジョンも示されました。これは、民間企業や公的機関からの情報を連携活用しようというもの。引っ越し時の住所変更や確定申告、死亡時の手続き、保険会社や金融機関とのやり取りも、マイガバメントに一元化・オンライン化することで、ビジネスや生活の手続きを効率化できるというのです。

「マイナンバーは、特に遅れている公的部門のIT化を促進することになるでしょう。民間のみなさまの協力を得て、立派なインフラに仕上げていきたいと考えています。」(向井氏)

登壇者
  • 内閣官房内閣審議官(社会保障改革担当室)、内閣官房情報通信技術(IT)
    総合戦略室副室長(副政府CIO)、内閣府番号制度担当室長 向井 治紀 氏