企業の競争力強化のためにICT投資をどう考え、どう実行していくか

[セミナー]今、CIO、情報システム責任者に求められることは何か。ICTでイノベーションを実現するために

東京・有楽町にある東京国際フォーラムにおいて、2014年5月15日 木曜日、16日 金曜日の2日間にわたり、富士通最大のイベントである「富士通フォーラム2014 東京」を開催しました。16日のセミナーでは、ICTはイノベーションを起こすための重要な武器であること語り、そしてイノベーションの実現に向けて、情報システム部門は今何をすべきなのかを議論しました。

日本の企業が競争力を上げられない要因とは

ICTは、イノベーションを実現する原動力です。今、CIOや情報システム責任者は、ICTをどう理解し、どう活用していけばいいのでしょうか。

本セミナーでは、まず、インプレスビジネスメディアの田口氏が、ICTに対する日本と米国の意識の差を示しました。田口氏は、民間調査会社の調査結果をもとに、「ITおよび情報システムへの投資を『きわめて重要』と回答した企業が米国では70%以上であるのに対し日本では、わずか20%以下という結果となった」と指摘。「プライベートクラウド」「パブリッククラウド」「ビッグデータ」といった最新技術への認知度においても、米国では「聞いたことがない・あまりよく知らない」と回答した企業が10%以下であるのに対し、日本では40%以上もあるなど、「最新のICTへの関心が非常に低く、投資にも積極的ではない」状況も明らかになりました。

既存システムの維持・運用にかかるコストを成長への投資に

また、従来のシステムの運営(維持・運用)にかかる費用が、変革や成長のための投資の足かせになっている現実もあります。米国と日本企業が、ICTへの投資をどんな分野に振り分けているかという調査では、米国の企業が運営68%、成長19%、変革13%と振り分けているのに対し、日本企業はそれぞれ78%、13%、9%。日本企業は、米国企業と比べてシステムの維持・運用に大きなコストがかかってしまい、成長や変革のための投資ができていないのです。これらの状況を踏まえ、富士通は企業競争力強化のために、さまざまな取り組みを展開しています。

「現状」から「次の一手」、そして「将来」のあるべき姿へ

その1つとして、富士通の古田執行役員常務は、段階的に投資を拡充していく方法を紹介しました。企業における情報システムの戦略を「AsIs(現状)」、「Next(次の一手)」、「ToBe(将来)」に分けて考え、将来の情報システムのあるべき姿=「ToBe」を実現するためのステップとして、まずは「Next」(次の一手)を実現していこうという考え方です。既存のシステムの上に共通の「ビジネスプロセスマネジメント基盤」を構築し、さまざまな情報端末などを活用できるシステムへと発展させていく取り組みがその一例です。

古田執行役員常務は、「この考え方で投資を拡充していくことで『IoT(Internet of Things)を見据えたマルチデバイス化』、『ビッグデータの分析・シミュレーションによるビジネスの差異化』、『データ連携基盤整備によるグローバルな意思決定の迅速化』が図られる」と指摘。この取り組みによって日本企業が抱える課題を解決し、イノベーションが実現できることを示しました。

登壇者
  • 株式会社インプレスビジネスメディア
    取締役 IT Leaders編集長 田口 潤 氏

  • 味の素株式会社
    情報企画部長 長山 一 氏

  • ソニー銀行株式会社
    執行役員 大山 正慈 氏

  • 富士通株式会社
    執行役員常務 古田 英範