「七人の侍」のように。共通善をつくりだす"個"の力の集結

[セミナー]イノベーションを起こす最強チームをつくるには。多様な能力・発想で、ビジネス・社会の未来を描く

東京・有楽町にある東京国際フォーラムにおいて、2014年5月15日 木曜日、16日 金曜日の2日間にわたり、富士通最大のイベントである「富士通フォーラム2014 東京」を開催しました。15日のセミナーでは、イノベーションが求められる時代に注目を集めている手法「オープンイノベーション」の原動力となる「最強チーム」を作るためのポイントをご紹介しました。

組織から個人の時代へ。拡大する個人のエンパワーメントに注目

企業が競争に勝つためにイノベーションが求められる時代、さまざまな知識や技術、アイデアや開発力を企業の内部だけではなく外部にも求め、それらの力を結集して課題を解決し、目的を達成する「オープンイノベーション」の手法に注目が集まっています。本セミナーのテーマは、イノベーションの原動力となる強いチームをどう作るかということ。まずは、日経BPの柳瀬氏が、黒澤明監督の映画「七人の侍」を引き合いに、「村を盗賊から守るという共通の課題解決に取り組む七人の侍こそ、オープンイノベーションの原動力となる最強チームのお手本である」と述べ、それに続いて3人の専門家が「最強チーム」を作るためのポイントを紹介しました。

第1のポイントは、「組織から個人の時代へ」。富士通総研・経済研究所の湯川抗・主任研究員は、ICTの発展によって、個人のエンパワーメントが拡大し続けていると指摘。「こういう時代に、個人の力が集結したチームに求められるコンセプトは『挑戦』だ。ICTを取り巻く環境の変化や成長のスピードが速い今、失敗を怖れず挑戦するチームが求められている」と提言しました。

市場の変化がイノベーションにも影響。生活者のニーズをオープンイノベーションで実現

それでは、なぜ今、イノベーションに個人の力やチームの力が求められる時代になったのでしょうか。その答えは市場の変化にあります。株式会社‪TBWA \ HAKUHODO執行役員の高松充氏は、現在の市場を「生活者主導社会」と位置づけました。ここで言う「生活者」とは、従来の受け身一辺倒だった消費者とは異なり、自ら積極的に動き、発想し、情報を発信する人たちです。高松氏は、「生活者のニーズや発想を、国籍や業界の垣根を越えてさまざまな分野のパートナーが集結するオープンイノベーションの手法で実現していくことが、これからの社会で求められる」と指摘しました。

これからの時代に必要な「七人の侍」を作るために。富士通の取り組みとは

組織から個人の時代への変化、そして市場の変化を踏まえた上で、具体的にイノベーションを起こす最強チームを作るには何をすべきか。富士通は、創造的なイノベーションの場作りを支援するメディアとして「あしたのコミュニティーラボ」を2012年4月に設立。個人、公共、企業を繋ぐプラットフォームとして、さまざまな活動をしてきました。その代表を務める柴崎辰彦は、「これからの時代に必要な『七人の侍』チームを作るには『共通善』が必要となる」と語りました。これは、協業とは異なる「共創」を生み出すのに不可欠な、利害関係のある個人を団結させる目的のことです。

たとえば、富士通では、「青森を盛り上げよう」という共通善に向かって、レンタカー業者や自治体と団結し、クラウドを使った新しいサービスを提供したほか、2014年4月には桜をきっかけに東北を訪れる人を増やそうという共通善で、外部の技術者やクリエイター、ベンチャー起業家、学生などに参加を呼び掛けた「さくらハッカソン」を実施。東北を元気にする新しいアイデアを生み出しています。富士通には、スマホからスパコンに至る幅広いICTと、国内約3万人のシステムエンジニアがいます。これからも、その技術力と人材力で、イノベーションの原動力となる最強チームを作る活動を支え、さまざまな企業や団体との共創を目指していきます。

注)「ハッカソン」とは
開発者や技術者が、同じテーマのもと、一定期間集中的にプログラムの開発やサービスの考案など協力しながら行い、そのアイデアや技能を競うイベントです。 「ハッカソン」という言葉は、ハック(hack)とマラソン(marathon)を組み合わせた造語とされています。

登壇者
  • 株式会社‪TBWA \ HAKUHODO‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬
    執行役員
    TBWA \ HAKUHODO \ QUANTUM
    代表 高松 充 氏

  • 株式会社日経BP 日経ビジネス・日経ビジネスオンライン
    チーフ 企画プロデューサー
    柳瀬 博一 氏

  • 株式会社富士通総研 経済研究所
    主任研究員 湯川 抗

  • あしたのコミュニティーラボ 代表、富士通株式会社
    柴崎 辰彦