「グローブ型」ウェアラブルデバイスが、ものづくり現場でのノートPCやタブレットの活用範囲を拡げる

作業を止める事なくスマートデバイスを活用できる ウェアラブルデバイスを開発

近年、ものづくりの現場やビルや設備・機器のメンテナンス業務などで、タブレット端末やスマートフォンの活用が進んでいます。分厚い作業マニュアルを持ち歩かなくともスマートデバイスを活用して作業内容を確認できるようにしたり、作業記録をその場で電子化するなど、作業効率を向上させる取り組みが図られています。

しかし、現場によっては、「手袋を装着しなければならない」、手の汚れにより「スマートデバイスの取り出しや操作が難しい」といった悩みもあります。スマートデバイスを使うことがそもそも難しい、あるいは、使うことはできても、そのたびに手袋を外すなど、作業が中断してしまい効率アップにつながらないといった課題もでてきているのです。

富士通研究所は、そんな現場作業の悩みをICTで解決しました。作業スタッフの手に装着したまま利用できる「グローブ型ウェアラブルデバイス」を開発。モノに触れるという自然な動作で作業手順など現場で必要な情報を確認でき、作業結果の入力もジェスチャで行えるようにしました。「作業しながらICTを活用できる」ことで、現場の業務の流れを止めることなく、さらに効率的に業務を進めることができます。

実際に使う「人」を中心に考えたスマートデバイスの進化形。グローブ型ウェアラブルデバイス

このほど開発したグローブ型ウェアラブルデバイスは、NFCタグリーダとジェスチャ入力機能を備えています。工場やメンテナンスの現場で確認が必要な作業対象物にあらかじめNFCタグを貼り付けておけば、実際の作業ではそれらのNFCタグを指先でタッチするだけで必要な情報を読み取り、ヘッドマウントディスプレイなどに表示する仕組みです。

また、グローブ型ウェアラブルデバイスの手首にあたる部分にジャイロセンサーと加速度センサーを取り付け、作業スタッフのジェスチャを認識する機能を実現。たとえば、左右腕の動きでヘッドマウントディスプレイ上に表示されたマニュアルのページをめくったり、腕を右に回すことで「異常なし」と作業結果を入力できたりします。手首に装着しても負担の少ない小型バッテリーを搭載していますが、タッチした瞬間だけNFCタグリーダを駆動させることで電力消費を抑え、1日の現場作業を行うのに十分な連続9時間の駆動が可能です。

今回の開発により、ものづくりやメンテナンスの現場では、保守や点検の手間が軽減され、ミスも減少、作業効率も向上してスマートデバイスの活用がさらに進むと期待できます。スマートデバイスは、今では医療、教育、流通、サービスなどさまざまな分野で活用されています。しかし、今回のようにスマートデバイスをそのまま使うことが実際には難しい現場もあります。富士通は、スマートデバイスを実際に使う「人」を中心とした発想で、新たな可能性を創造していきます。