液晶画面に触れると「本物の手触り」!?表示されたモノを指先で感じられる新技術

人間の五感として大切な「触感」

人間の指先には、わずか数ミクロンの凹凸でも触れるだけで分かってしまう感覚が備わっているといいます。例えば、国内の多くの自動車メーカーの工場では、車体の表面にミクロン単位の突起があるかどうかの検査を人間の手で行っています。熟練の技術者が、車体表面を撫でることで数ミクロン単位の凹凸を見つけてしまうのです。普段の暮らしの中で「触感」を意識することはありませんが、触感は人間にとって、とても大切な五感の一つです。触れてみて初めて分かることもあります。「ツルツルしている」「ザラザラしている」など、実物に触ってみると「これは金属かな」「これはプラスチックだろう」というように材質を想像することもできるでしょう。

そんな人間の触感を、タブレット端末やスマートフォンなどのスマートデバイスに取り入れたらどうなるか。スマートデバイスの液晶画面に触れると、そこに映し出されているものに「触れているような感覚」を味わうことはできないか。富士通はそんなことを考えました。

指先で「触っている感覚」を実現

スマートデバイスの液晶画面といえば、ただ無機質なものといえます。しかし、タッチパネルと指の摩擦力を微妙に変化させれば、液晶画面に触れるだけで、そこに映し出されたものに「実際に触れている」ような感覚を味わうことができます。そこで、超音波振動によりタッチパネルと指との摩擦力を変化させ、ものに触れている感覚を感じる技術を業界で初めて開発しました。

この技術により、利用者は液晶画面に触れるだけでツルツル感やザラザラ感を体感でき、映し出されたものをよりリアルに感じることができます。例えば、琴など弦楽器の「弦を実際に弾いているかのような感触」、DJで使うCD表面の「ツルツルした感触」、金庫などの「ダイヤル錠を回した感触」をはじめ、ワニに実際に触っている感触なども味わえるようになるのです。

「触感」という感性価値を高めれば新たなスマートデバイスの可能性は広がる

この技術は、液晶画面を搭載しているスマートフォンやタブレット端末をはじめ、ノートパソコンやカーナビ、ゲーム機器、業務用端末などに幅広く応用できます。

スマートデバイスの市場は成熟期を迎え、利用者が求める価値は、スペックや機能の向上から、心地よさ、楽しさといった感性価値の向上へ変化しています。富士通では、「ヒューマンセントリックエンジン」をスマートデバイスに搭載するなど、視覚や聴覚に対応する技術で、感性価値を高める製品を開発してきました。今後、人間の五感として大切な「触感」を利用した技術により、新しい操作性とリアリティのある表現を創出し、さらに感性価値の高い製品を提供していきます。