スマートデバイスをテレビにかざして、ネットにアクセス

テレビを観ていて気になった商品やお店の情報を、すぐにスマートフォンなどで調べるという視聴スタイルが普及しています。そこで、スマートデバイスをテレビにかざすだけで、知りたい情報が素早く表示されるテレビ通信技術を開発しました。今後、CMとの連動やデジタルサイネージでの活用など、放送と通信の融合でテレビの楽しさとテレビビジネスの可能性はさらに拡がります。

スマホを片手にテレビを見る。ネットの入り口となった「テレビ」

スマートフォンやタブレット端末など、スマートデバイスの普及で、テレビを見るスタイルが変化しています。スマートデバイスを手元に置いて、番組で紹介された場所や商品の情報を素早くインターネットで検索、旅番組で見つけた旅館を予約したり、視聴者が積極的にテレビ以上の情報へアクセスするという動きが広がっています。

こういった動きはテレビショッピングで特に顕著になっています。しかし、多くの場合、視聴者が番組内で紹介された商品名やウェブサイトのURLを入力して検索しなければなりません。そのため、誰もが目当ての商品の紹介ページにたどり着けるとは限らないのです。テレビの視聴者が、スマートデバイスを使って、もっと簡単な操作で詳細な情報にアクセスできるようにするには、どうすればよいか。それが課題となっていました。

人間の目の特性に注目!目には見えない信号をスマートデバイスに

素早く目的の情報にアクセスさせるには、テレビから何らかの信号を発信し、視聴者がスマートデバイスで受信するという方法が必要となります。テレビから信号を送る技術としては、光の点滅で情報を伝える「可視光通信」や映像にノイズを加える「電子透かし」といった技術があります。しかし、今までの技術では、映像を劣化させてしまったり、あらたに専用の受信機器が必要となるなど、一般に普及するには大きな壁がありました。今では画面上にQRコードを表示させる方法も活用されていますが、読み込むためにはスマートデバイスを持って画面に接近する必要があり、提供側もQRコードを表示するために画面スペースを削らなければなりません。

「画質を劣化させることなく」、しかも「離れた距離でも情報を受信でき」、「画面スペースを削らなくてもよい」技術とは・・・・・・。富士通は、人間の目の「ある特性」に着目しました。人間の目には、「時間をかけてゆっくりと変化するもの」は知覚しにくいという性質があるのです。

新たに開発した技術は、テレビの映像の色味をゆっくりと変化させて、可視光通信のように情報を送信するものです。これなら映像の画質を劣化させることなく、人間の目には知覚できないレベルで信号を発信することができます。

受信のしかたもシンプルです。専用アプリをインストールしたスマートデバイスのカメラをテレビ画面にかざすだけで、誰でも簡単に信号を受け取れます。ゆっくりとした画面の明暗をスマートデバイスが認識し、自動的にインターネットに接続して目的のウェブページが立ちあがる仕組みです。テレビに接近する必要もなく、離れた場所からでもスマートデバイスをテレビ画面に向けるだけで情報を受け取れるのです。

人気のテレビショッピングで新技術を使った情報配信を開始

この技術を活用したあたらしい情報配信はすでにはじまっています。テレビショッピング大手の「ジャパネットたかた」様が本技術を採用し、あらたなショッピングのスタイルを提案しています。

ジャパネットたかた様の通信販売専門チャンネル「ジャパネットチャンネルDX」では、気になった商品があれば、スマートデバイスの専用アプリを起動し、テレビ画面に向けるだけで、紹介している商品のページにアクセスできます。商品の詳細情報を調べたり、そのまま手軽にショッピングを楽しむことができるのです。

テレビとインターネットとの融合は、今はじまったばかりです。ウェブサイトへのアクセスやオンラインショッピングはもちろん、ゲーム要素を盛り込んだ番組など幅広い分野での技術利用が期待されています。