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スーパーコンピュータのクラウド化が叶える、創薬の進化

新薬の開発には10年以上の期間と膨大な費用がかかる上、実用化されるのはわずか3万分の1。この過酷な状況を変えようと、東京大学先端科学技術研究センターと富士通が協力し、「IT創薬」に着手しました。クラウドとスーパーコンピュータを駆使した高精度なシミュレーション環境を実現することで、予測精度を高めて不要な実験を回避し、新薬開発の効率化と成功確率の向上を目指しています。

新薬が実用化される確率はわずか「3万分の1」

私たちの暮らしに不可欠な医薬品。とりわけ、高い効用を発揮する新薬には、予防医療や高齢者医療、さらには難病治療や先端医療の分野で、ますます期待が大きくなっています。

しかし、新薬の開発には一般的に10~15年もの期間と膨大な研究・開発費用がかかります。そのプロセスは、まず、疾病が体内のどの物質(タンパク質)と関係しているかを突き止め、病気の原因となるタンパク質を特定することから始まります。そして、そのタンパク質の働きを制御し、病気の発症や進行を抑える化合物や抗体を作り出していくのです。こういった創薬の過程を経て新薬の候補となる化合物が作りだされますが、2006~2010年の間に日本国内で67万件以上の候補化合物が合成され、その中で医薬品として承認されたのはわずか22件でした(日本製薬工業協会調べ)。このように新薬が実用化される確率は極めて低く、わずか「3万分の1」程度というのが実態なのです。

その理由の一つとして、これまでの一般的な創薬では既知化合物に合成化学者が手を加えて改良することにより新薬の候補化合物を作成してきたため、既知の化合物では得られなかったような薬効を示す新薬が作りにくかったことがあげられます。また、もう一つの理由として、新薬の候補化合物が作りだされても、その後の動物試験や人による臨床試験といった治験の過程で薬としての効果が出ない、副作用が懸念されるなどの問題点が明らかになる場合が多いことがあげられます。動物試験や臨床試験にも膨大な時間と費用がかかりますが、そこで失敗したら再び化合物を設計し、作り直し、検証していくというプロセスを繰り返さなければなりません。そのため、従来の手法では見つけることができなかった画期的な新薬の候補化合物をいかにして創出するか、また、創出した候補化合物の薬効や副作用を動物試験や臨床試験に移る前にいかに正確に予測するか。これが新薬開発における重要な課題となっていたのです。

新薬開発におけるそれらの課題を解決するため、富士通は以前より、東京大学先端科学技術研究センター様と協力し、スーパーコンピュータを駆使した「IT創薬」に取り組んできました。コンピュータのシミュレーションにより化合物を設計し、がんや生活習慣病などを治療する新薬の研究・開発を進めてきたのです。

新薬のベースとなる化合物をシミュレーションでつくる

患者の病状に応じた治療を実現する新薬の研究では、生体内での病気の原因とされるタンパク質の複雑な働きについて、より詳細に理解することが必要で、そのためには従来よりもはるかに膨大な量の計算を処理する必要があります。もっと大規模で高性能なシミュレーション環境を大学内に構築できないか・・・。東京大学先端科学技術研究センター様の要望に応えるべく、このほど、解析シミュレーション向けクラウドサービス「FUJITSU Technical Computing Solution TCクラウド(TCクラウド)」をカスタマイズして提供しました。

クラウドを採用したことで、より強力な計算能力を確保できたほか、製薬会社などとの共同研究もクラウド環境であれば可能となります。また、大学構内では使用できる電力容量が制限され、電力消費量が大きいスーパーコンピュータでは拡張性に限界がありましたが、クラウド化したことで電力の制約を受けることなく大規模な計算環境を構築できました。

シミュレーションにより新規性の高い候補化合物を創出。薬効の事前予測で不要な実験を回避

新たなシミュレーション環境を確立できたことで、東京大学先端科学技術研究センター様の新薬開発が今後、さらに加速すると期待できます。高性能なコンピュータを利用した網羅的探索により、既知の化合物の改良では得られなかった新規性の高い候補化合物をコンピュータの中で仮想的に創出することができるようになりました。また、生体内におけるタンパク質と候補化合物の働きの高精度なシミュレーションにより候補化合物の薬効を事前に予測できるようになり不要な実験を回避できるようになります。

東京大学先端科学技術研究センター様では2014年1月1日より、「FUJITSU Technical Computing Solution TCクラウド(TCクラウド)」を利用した新薬開発が本格的にスタートしています。これまでの実験的な手法をベースとした創薬では実用化することが困難であった新薬、たとえば副作用が少なく高い薬効が期待できる抗がん剤などの開発が着実に、かつ画期的に進められていくのです。

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